学校内に会社を作り、多様な課題に挑戦していく過程で社会的自立力が育まれる
概要vol.1
概要vol.2
近年、バーチャルな物事が多くなり、生きる上で大切な資質を実体験を通じて学び取る機会が少なくなっています。特に人間関係構築の困難さも指摘され、核家族化、少子化による社会化の遅れ、弧食、インターネットの普及などもその要因と指摘されています。携帯電話やチャットがコミュニケーションの新たな手段として盛んに使われていますが、お互いが実際に向かい合うことがないため、本音で議論する機会が少なく、また瞬時にON/OFFが可能なので、全人格をかけて意見を主張し合うことを忌避させています。そういった社会のあり様に際して、学校教育のカリキュラムも実社会から乖離しているといわれています。
このスチューデントカンパニー・プログラム(SCP)プラグラムを体験した立命館高等学校(京都市伏見区)の生徒は、「日がたっていくうちに皆んな理解し合えるようになった。その間に口げんかや口論がいっぱいあった。しかしそれは、お互いの主張をし合っている口げんかだった。つまり、自分がやりたいことをやるから、衝突してしまうのだ。しかし、今までこんなことがあっただろうか。今まで口げんかがあったとしても、それはただイライラが原因で起こるものであった。しかし今回の口げんかはどうだろう。自分の言いたいこと・やりたいことをめいっぱい主張し合う・・・、体で動き、体で感じ、自分の意志で動くため、自分の力が本当にレベルアップする・・・、しかもそれによって本当の仲間になる。こんないいことが目いっぱいの授業があっただろうか」と感想を述べています。また、「社会で役に立つという観点からすると、何事も主体的に自分で論理的に考え、それを他人に分かりやすく説明してコミュニケーションを図り実行するという基本的な能力がこのSCPで訓練されたと思います」とは社外取締役をつとめた大和証券グループ本社社員さんの声です。
受け身の姿勢で授業を聞いて知識を覚えるという通常のカリキュラムでは得られない経験が、実体験を通じて得ることができます。
SCPとは、生徒が学校の中に資本金1万円(100円/株×100株)で株式会社を設立し、商品の開発・生産・販売を行ってその経営成果を16週間後の株主総会で発表する実技体験型の経済教育プログラムです。
社長と副社長、生産・営業・経理・人事4部門の人的配置を決め会社を運営します。実際の会社の運営方式に準じて活動を行いますので、会社の仕組みや経済の働きを学ぶことができます。しかし、単なる起業家養成や金融知識の普及が目的ではなく、活動を通じて、課題分析や問題解決能力・情報収集の意味・広い視野にもとづく自立的な判断力や意思決定力・結果に対する責任意識・他人と違う意見を述べる勇気、異質の意見に対する寛容性といったコミュニケーション能力の育成など実生活上で役立つ基本的資質の育成を目的としています。
立命館高等学校はスチューデントカンパニー・プログラム(SCP)を日本で初めてカリキュラム上の「正課」として採用されました。
担当の神野先生が、生徒の活動する様子を「SCPニュース」として書かれましたが、その内容が本ページの最後にある「生徒作成サイト|2003年」に掲載されています。生徒と教員が感動を共有しあって成長する過程が見事に綴られています。巻頭言の立命館の理事長・校長・担当教諭の皆様のコメントをご覧ください。立命館高等学校と兵庫県立大学付属高等学校の実践報告書の冊子ご希望の方は、お問い合わせ下さい。
企業が自社社員を社外取締役として派遣しプログラムを支援しています。現役社員の「実際の活動ではどう対応しているのか」というアドバイスは具体的事例として生徒に伝わり、活動が生きたものになります。
実施校の「ウェブサイト」をご覧ください。実施校におけるスチューデントカンパニー・プログラムの概要、体験した生徒と支援した企業社員(社外取締役)の感想を掲載しています。
青少年にこのような体験機会を提供することにより、企業は青少年の勤労観・職業観を育む社会貢献活動に参加することになり、企業活動全体に対する高い社会的評価につながります。
最も重要なことは、実際に組織を運営していく経験であり、大勢の前できちんと分かりやすくプレゼンテーションをしたり、リーダーシップを養うことです。
容赦ない社会のルールが、多くのことを「生きたまま」教え、高校生のもつ未開発分野の能力を引き出し、満足感、達成感を与え、自分たちの進路について真剣に考えるきっかけを与えるのだということを改めて認識することができました。今回の経験を振り返り、企業はこのような活動に積極的に参加すべきだと感じています。働く前の人たちが正しい職業意識を持つようになることは、教育界、実社会がともに目標とすべき共通の重要な課題で、かつこの課題を実現するのは企業の貢献が必要不可欠だからです。全ての企業は、潜在的にこの役割を担っているという意識が必要だと思います。
生徒たちは会社経営を通じて世の中の仕組みを学び、コミュニケーション能力を身につけて、社会で生きていくための自己の課題を自ら主体的に考えるようになります。下記のURLをクリックして確かめてください。
※なお、教材だけのご提供は辞退させていただきます。
スチューデントカンパニー・プログラムは16週間に及ぶ学習です。
これまでの導入事例を参考にご紹介します。
詳しくはご相談ください。