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小学校の先生から「具体的な成果について」

品川区立伊藤小学校 5年担任

朝、児童の顔つきは職業体験の一日が始まるにしては本当に不安げな顔つきでスタートしました。しかし、時間の経過とともに、「いらっしゃいませ!」の挨拶から始まる接客態度や「こちらの商品は・・・」とセールストークも板につき少しずつ販売会社の社員の顔になり、体験の成果が身についてきたかのように見えました。しかし現実はそんなに甘くありません。何回もの社内会議では書類の不備や不明な記入についても指摘がされ、収支計算の正確さも要求されました。その度に、児童の顔に緊張が走るという貴重な体験をすることができました。販売方針の変更や検討がなされていき利益という意識を持ちました。こうした販売者の立場を学習しただけでなく、自分の給料で物を購入する消費者になることも体験しました。

夕方、児童の顔つきは「疲れた」ばかりではなく、将来の社会が共存社会の中でなりたっていることや職業意識・金銭感覚も感じ取ったかのように変化していた事はいうまでもありません。

コニュニケーション能力・基礎学力は人間形成で最も大切な物です。「字を分かり易く書く。それに正確にはやく計算をする。・・・」といった基礎学力の定着の結果を共存社会の中で見るには児童自身も教師も時を経て、早くとも6年後、12年後と時間の経過が必要となってきます。一人一人の児童は、この日一日の体験を通して、ワープした将来の自分に向き合うという貴重な体験となったと思います。

さらに、指導後の児童の言葉には、自分は今こそ挨拶(コニュニケーション)・基礎学力の定着を図る必要があるとありました。