人がしている仕事を見るのではなく、仕事をしている人を見る
ジョブシャドウの概要
体験談(先生)
体験談(生徒)
体験談(企業ご担当者)
日本の教育はそのカリキュラム構成や内容が実社会から乖離しているのではないかといわれていますが 、生徒の「何のために勉強するのか」という認識が希薄であることや、「生きる」ことへの基本的動機がきちんと形成されないのは、そのことと無関係ではないと思われます。
社会はお互いが仕事を通じて支えあっている 「共存社会」であり、個人・仕事・社会は相互に補完しあっています。自分は他人の恩恵を受けて生きているということがきちんと理解できると、自分も他人に恩恵を与えることができる存在であることに気がつき、生きる意味も分かってきます。
最近、青少年の仕事観に関して 「自分の好きなことを探す」という論調がありますが、その論調の表面的な意味だけを安易に受け取ってしまうと「好きなことだと思ってやってみたが、思い通りいかなかったので新たな仕事が見つかるまでフリーターになる」という現象につながりかねません。社会の多くの仕事はその人にとって必ずしも 「好きなことばかり」ではありません。それでも社会が維持されているのは、「仕事というものが、好き嫌いの範疇を越えてもっと崇高な意識によって支えられている」からではないでしょうか。
「好きではないと思っていた仕事が、一生懸命取り組んでいるうちにうまくできるようになり、それが新たな自信を生み、同僚が協力してくれるありがたさを感じる余裕もでき、いずれは喜びや誇りを持てるようになる」というのは、ジョブシャドウのスポンサーであるセコム株式会社 人事部・遠藤さんのコメントですが、みんなが好きな仕事だけ追っかけ始めると社会は安定しません。仕事は、それを遂行する人に責任が発生するため本来は厳しいものですが、それが一人の人間として果たすべき社会的責任であり、この意識は 「好き嫌い」の概念を超越します。そういう社会的責任を自覚できる人が増えてこそ社会は成熟していくのでしょう。
ジョブシャドウは、生徒一人が、企業の社員一人に数時間 シャドウ(影)のごとくついてまわり、社員が仕事をする姿を通して会議の熱気や緊張感を感じ、一部の仕事も手伝いながら、仕事の厳しさを肌身で体験します。「仕事に打ち込む人の姿」を身近で観察する機会を得て、やがて訪れる進路選択・将来設計・職業選択に資することが目的です。ジョブシャドウ当日の成果をより確かなものにするため、プログラムには 「事前・事後学習の時間」がついています。
普通の会社見学は会社の表面的なものしか見えない活動になりがちです。又、インターンシップは学校や企業の負担が重く、いずれもキャリア教育本来の目的を達成しているとは必ずしも申せません。人がパソコンに向かっている姿を見て職場体験をしたというのは余りにも短絡です。大事なことは、仕事をしている人の取り組み姿勢をじっくり観察して、そこから感じるものを発見させる機会を与えることです。人がパソコンの前に座っている形が仕事ではなく、そこで何をしているか、何を考えてやっているのか、どういう意識で取り組んでいるのかなどを感じ取ることが大事であり、その意味でジュニア・アチーブメントはジョブシャドウを 「人がしている仕事を見るのではなく、仕事をしている人を見る」という活動として位置づけています。
私たちは、イチロー(人)がしている野球(仕事)を見て感動するのではなく、野球(仕事)をしているイチロー(人)の姿勢に感動するのですから。仕事は、それを行っている人の主体的な姿勢や考え方によって過程も成果も変わってくるのであり、そこに人が決して組織の歯車ではないことが表れます。仕事が人を動かしているのではなく、人が仕事を動かしています。
生徒にどう対応するかは社員用マニュアルに記載されています。会社全体で取り組むことになりますので周到な準備が必要です。ジュニア・アチーブメントが企業と学校間の調整や個別課題の助言・指導を行います。」
「体験レポート」をご覧ください。ジョブシャドウに参加した生徒と社員全員のレポートを掲載しましたが、それぞれに 「働くことの意味」や「仕事とは何か」などについて新たな発見があったようです。青少年にこのような体験機会を提供することにより、企業は青少年の勤労観・職業観を育む社会貢献活動に参加することになり、企業活動全体に対する高い社会的評価につながります。
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